彫る絵画 -PLAY-

彫る絵画 -PLAY-

鈴木淳夫

2023.9.15 Fri - 10.14 Sat

このたび、TEZUKAYAMA GALLERYでは9月15日より鈴木淳夫の個展「彫る絵画 -PLAY-」を開催いたします。

1977年に愛知県に生まれた鈴木は、2001年に静岡大学大学院教育学研究科を修了。現在は生まれ故郷の愛知県豊橋市を拠点に活動しているアーティストです。

自身の作品を「彫る絵画(Carved Painting)」と称し、幾重にもパネルの上に塗り重ねた絵具の層を彫刻刀で削り出し、様々な図柄を描く作風で制作を重ねてきました。手法としては彫漆にも似た制作方法ですが、鈴木が作り出す画面からは作家の息づかいすらも感じ取れる程の鮮明な行為の痕跡として鑑賞者に提示され、同時に「彫る」という反復行為によって顕在化した絵具の断層は、作家が作品と対峙した膨大な時間を物語ります。

2019年、三原色である赤・青・黄の作品構成で個展を開催し、2021年はモノクロームに限定した作品のみを紹介しました。そして今回の展覧会では副題の通り「PLAY」がテーマとなっております。今までの技法継続させながら、常に新たな試みを模索し、制作の枠組みを広げる・超えるために遊ぶ様子は”大人の本気の遊びを感じる、鬼気迫る展覧会となるでしょう。

支持体や画材の扱いがガラッと変わり、鮮やかな色づかいに禍々しいオーラを放つ作品群が並ぶ本展覧会、鈴木淳夫の「PLAY」を存分に楽しんでいただける空間となっております。

ぜひこの機会にご体感くださいませ。

 

【アーティスト ステイトメント】

2年前、大阪の街を散歩していた折、目に飛び込んできたのは紅白のインベーダーの看板でした。

三原色(2019)、モノクローム(2021)ときて、今回の個展のテーマはPLAY(遊ぶ)に決めました。

 

「彫る絵画」という技法を開拓し、継続している私は常に「繰り返す」というマンネリがついてまわります。

マンネリを回避する一つの方法として「遊ぶ」ことは重要だと思います。

 

遊んでみようと決意したものの、実際に遊ぶことはなかなか難しいことでした。

あれこれ支持体を試してみる、厚く塗る、色を塗り終えたローラーや刷毛を使ってみる、などなど。

 

昨年より画業に専念しており、多くの時間をアトリエで過ごしています。

それまでは彫ることで自分の痕跡を少しでも多く残すことに興味の大部分がありましたが、最近は絵具に向かい合い、試行錯誤する時間が増えてきているように思います。

 

今回限りの作品もありますが、今後も継続できそうなものもあらわれてきました。

私はこの個展で遊べたのか、遊んでいないのか、ぜひこの機会にご高覧ください。 

                                   

鈴木淳夫