MONOCHROME LANDSCAPE

MONOCHROME LANDSCAPE

ドミニク・ルトランジェ

2017.1.20 Fri-2017.2.18 Sat

この度、TEZUKAYAMA GALLERYにて2度目となる、ドミニク・ルトランジェの個展を開催いたします。 フランスで生まれ、ドイツ人の父とフランス人の母を持つルトランジェは、 青年期に日本文化への強い関心を持ち、1992年に日本に移住。その後、 様々なスタイルの平面作品を作り続け、現在では日本文化独特の美意識を組み込んだミニマルな作品を中心に制作。国内外で活躍するファインア ーティストです。

本展覧会ではそんな彼が描く、繊細なドローイングを中心に未発表の新作を20点展示いたします。 前回のテヅカヤマギャラリーでの個展作品よりさらに色彩が抑えられ、紙と鉛筆の濃淡のみで表現されたモノクロの作品群。シンプルな素材、色、 構成が用いられながらも、自然や人々の日常の情景が表情豊かに、そして暖かみを持って切り取られています。またこれらの作品からは、彼が追求する、余白をも描く研ぎ澄まされた美しさや、自然の成り行きに芸術を見出す日本の美的感覚を、より一層体感できることでしょう。みなさまぜひ、 この機会にご高覧くださいませ。

【作品評】

静かなエネルギーをもつドミニク・ルトランジェの新作は、抑制された色使 いと簡素な美を特徴とする。 彼は長年にわたり数多くのスタイルを展開し、 現在、シンプルで観照的な、つまり制御され繊細なざらつきのあるモノクロ ームの画面に至っている。 絵画のエレメントは自由に構成されているが、白い面と多様な鉛筆のスト ロークの層がリズムを作り、これらの構成要素間の緊張を効果的に表現している。彼は簡素という思想を完全にすることを模索し、不要を除き物の本質に戻ることをめざしている。

クリスチャン・ブシャランク 建築家 シンガポール国立大学准教授 産業デザイン学部デザイン環境学科長